「あれ?カッパーレッドは?」
「失意で部屋に閉じこもってる。」 「え?なんで?」 「ミニスカの敵がいたんだ。」 「なおさらどうして?」 「ローズピンクと同性だったんだ……。」 「そうか……。」
「カッパーレッド、敵襲だっ!」
「何っ!女子は何人だ?」 「いない。」 「よし、じゃあ俺は欠席だ。あとは任せた。」 「あ、ひとりミニスカのがいたような、いないような。」 「よし、俺に任せろっ!」
「てやっ!はっ!」
「カッパーレッドは練習熱心だなぁ。」 「必殺、ヴァキュウム・スラッシュゥゥゥ!!!」 「あれがスカートめくりのためでなければ……。」
「グレーじいさん、血行悪くて悩んでるって?」
「うむ。見ての通り、灰色のままじゃ。」 「目も霞んで困ってるって?」 「うむ。見ての通り、緑色に曇ったままじゃ。」 「……前から思っていたんだが、あのじじい実はグレーじゃなくて、 宇宙人の方のグレイじゃないのか?」
「あ、いたいた。ダークブルー!
戦闘中にいきなり逃げ出して、一体どうしたんだよ!?」 「どうせ僕はダメ人間なんだ。もう放っておいてくれよ。」 「名前がブルーだからって、性格までブルーになる必要はないだろ!」 …………。 「その後、彼は心機一転、改名してインフラレッドになりましたとさ。」 「全然ひきこもり解決してないじゃん。」
「おお、戦果はどうじゃった!?」
「うふーん」 「そうか、完全勝利か。して、どのように?」 「ローズピンクが、セクシー光線で悩殺して……。」 「ふむふむ、そしてそして?」 「敵はそのあと、現実を……。」 「うふーん」
「町内に敵影多数!」
「むぅ、ゲッキョクめ、現れおったな!」 「ご町内に月極駐車場なんてあちこちにあるだろうに」 「それらは全て奴らの秘密基地じゃ!」 「えー!?」
「うふーん」
「いつみてもローズピンクはセクシーだなぁ」 「うふーん」 「でも、あいつ、男だぜ」 「うふーん」
「戦隊物に必要なモノを知ってるか?」
「えーと、愛と勇気と……信じる心?」 「カネとコネとムネに決まってンだろ!」 「さすがブラックは言うことが黒いなぁ」 「……ムネって、何?」 「あいつ、巨乳好きなんだ」
「頼まれてたデジカメ持ってきたぜー」
「よし、これでインフラレッドが見えるように」 「どういうことだ?」 「赤外線はデジカメ通すと映るんだよ、ほら」 …………。 「なんであいつ、全裸なんだ?」
「我らの敵は秘密結社ゲッキョク!」
「げっきょく?」 「そうだ。全国各地に駐車場という名の秘密基地を築いておる」 「それ”月極(つきぎめ)”って読むんだけど」 「ゲッキョク許すまじ!」 「グレーじいさん、話聞いてる?」
「おーい、インフラレッドー。」
…………。 「インフラレッド?いないのか?」 「あいつ、赤外線色で引きこもりだから他人には見えないんだ」 「なぁ、どうやって所在調べるんだ?」
「なに揉めてるんだよ、コーラルレッド」
「それがさ、聞いてくれよシグナルレッド」 「ちょっと待て、赤だけで何人いるんだ」 「隣の部屋にはインフラレッドが」 「赤外線かよ」
「え、これ戦隊もの?」
「60人いるからサンシャインらしいよ」 「正義の味方が60人って、どんな数の暴力だよ」 |