Forbidden Palace Library #00 「失われた7枚」シリーズ 外伝

『僕は、語らない』



エリック 「……メンデル隊長。どうして、こんなことを……?」

メンデル隊長 「理由は簡単だよ。自分の知識欲を満たすためだ。」

エリック 「何を知りたいんです、隊長は?」

メンデル隊長 「もはや語られていないラファエル王国以前の歴史だ。」

ライアン 「ちょっと待てよ。
 歴史が知りたければその知識のある場所に行けばいいことじゃねぇのか?
 セリフォス島にあるアシスト総合図書館なりなんなりに……。」

メンデル隊長 「確かに文献で歴史を調べるのも一つの手かもしれない。
 だがそれが真実であると誰が証明する?
 実際に誰も見ていないのに?」

エリック 「じゃあ、それを見るためにメンデル隊長は……?」

メンデル隊長 「そうだ。一般人のみならず軍人といえども検問所を越えることは出来ない。
 ましてそれを無視して突破できるほど私は強くもない。
 だから調査隊の許可証が必要だった。」

ライアン 「……隊長は……その為に、軍に入ったのか?」

メンデル隊長 「そうだ。
 ただこの機会のためだけに。
 ……長かった。」

エリック 「それほどまでにして、隊長は何を求めるというのです?」

メンデル隊長 「世界の真実だ。
 この世界の真の姿を、
 私は知りたい。」

エリック 「世界の、真の姿……?」

メンデル隊長 「何故我々人間が今ここにいるのか。そう考えたことはないか?」

エリック 「え?何故って……。
 あっ!
 光が……前方から……。」

ライアン 「出口か?」

メンデル隊長 「……見えてきたな。あれが世界の真実だ。」




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