『祖父を訪ねて三千里』
7日目 ????? 澄み渡る青い空と、それを映す氷の大地。 低い太陽が辛うじて地平線から顔を出しているものの、この地でその輝きが天高くに昇ることはない。 やがてもう少しするとその太陽は一日中沈まなくなり、長い長い昼だけの世界が訪れる。 |
「んー、こうやって立っているとのびのびとするのぉ。」
「よほど座ってばかりいたのに飽きたんだね。」
「うむ。毎日の日課の散歩ができんと体調が狂うわい。
お前の母親マリアにはあまり散歩しないでと言われとるが、
やはり趣味を止めることはできんよ。」
「うん、探すのが面倒だからやめて欲しいとか言ってたよ。」
「わしもお前も、そしてお前の父親も方向音痴じゃからのぉ。」
「うん、一家に三人も同じ仲間がいるんだね。」
「ところで孫よ、一つ聞きたいことがあるんじゃが。」
「うん、なんだい?」
「いまわしらはどこにおるんじゃい?」
「うん、きっとどこかの地面の上だよ。」
「それもそうじゃな。
……さて。
帰り道はどっちかのぉ?」
「さぁ、それがボクにもさっぱり。」