Forbidden Palace Library #00 「失われた7枚」シリーズ 外伝

『祖父を訪ねて三千里』




7日目

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澄み渡る青い空と、それを映す氷の大地。
低い太陽が辛うじて地平線から顔を出しているものの、この地でその輝きが天高くに昇ることはない。
やがてもう少しするとその太陽は一日中沈まなくなり、長い長い昼だけの世界が訪れる。

ラルフ 「んー、こうやって立っているとのびのびとするのぉ。」

アーク 「よほど座ってばかりいたのに飽きたんだね。」

ラルフ 「うむ。毎日の日課の散歩ができんと体調が狂うわい。
 お前の母親マリアにはあまり散歩しないでと言われとるが、
 やはり趣味を止めることはできんよ。」

アーク 「うん、探すのが面倒だからやめて欲しいとか言ってたよ。」

ラルフ 「わしもお前も、そしてお前の父親も方向音痴じゃからのぉ。」

アーク 「うん、一家に三人も同じ仲間がいるんだね。」

ラルフ 「ところで孫よ、一つ聞きたいことがあるんじゃが。」

アーク 「うん、なんだい?」

ラルフ 「いまわしらはどこにおるんじゃい?」

アーク 「うん、きっとどこかの地面の上だよ。」

ラルフ 「それもそうじゃな。
 ……さて。
 帰り道はどっちかのぉ?」

アーク 「さぁ、それがボクにもさっぱり。」



氷の大陸「ユル・シアルス」
ここがエングリシア語で「小さな島」を意味する極南の地であることをまだ二人は知らない。



おしまい。

そして『認可なき侵入』へと続く。



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