Forbidden Palace Library #00 「失われた7枚」シリーズ 外伝

『鐘の音を合図に』



王都シルバニア
王城3F 作戦会議室

こんこん。

レオン 「ハーシェルとセルシウスです。」

ウェルナー 「入れ。」


がちゃっ。

ボイス 「ウェルナー将軍……」

ウェルナー 「事情は部下の者から聞いた。」

レオン 「…………。」

ウェルナー 「自分達のしたこと、ちゃんとわかっているんだろうな?」

レオン 「はい。」

ボイス 「承知の上です。」

ウェルナー 「ということは二人とも覚悟は出来ているということだな?」

ボイス 「はい。」

レオン 「出来ております。」

ウェルナー 「……始末書を明日までに各々30枚。以上だ。」

ボイス 「え?」

レオン 「ウェルナー将軍……?あの、国家内乱罪の適用は……」

ウェルナー 「……お前達は一刻も早い人命救助のために規則違反を承知で行動を起こしたのだろう?
 時には、そういうこともある。
 いや、むしろ人を救うためにそういう勇気を持つ者が部下にいて私としては嬉しいよ。」

ボイス 「……将軍……。」

ウェルナー 「王には私から言っておく。
 それにハーシェル、廊下でベークランドがお前のことを待っているだろ。
 ……始末書は明日の朝一で提出しろよ。それだけだ。帰ってよし。」

レオン 「……ウェルナー将軍、一つお伺いしたいことが」

ウェルナー 「なんだ?」

レオン 「王城3階の隠し部屋というのは……」

ウェルナー 「私もよくは知らない。
 かつての250年前の大戦の時に閉じられたままだという話だ。
 何が封じられているのか私も知らない。もしかすると、王すらも。」

ボイス 「陛下すらも?」

ウェルナー 「250年前に一度開けられたきり、ずっと閉じられたままらしいからな。
 ……なんでもウィリアム=アシストとかいう魔導師が中に何かを隠したらしい。
 私が知っているのはそれだけだ。」

レオン 「エンディル……肌青き民……。」

ウェルナー 「ともかく、始末書を30枚。忘れるなよ。
 これで話は終わりだ。
 ……ベークランド、扉に耳なんか当てていないで入って良いぞ。」


がちゃっ

イーディス 「はーい。失礼、しまーす。」

ウェルナー 「どうせお前のことだから廊下の外で聞いていたんだろうが、そういうことだ。
 ……私はこれから用事があるので後はまかせる。
 最後に出る者が鍵をかけて退室しろよ。」


すたすたすた。

レオン 「……恩に着るぜ、ウェルナー将軍。」

ボイス 「ああ、まったくだ。」

イーディス 「……セルシウスさん、ハーシェルさん、本当にありがとうございました。」

レオン 「例には及ばないさ。
 救出に行くって言い出したのはこいつだしよ。
 ……ま、あとはがんばれよ、ボイス。」

ボイス 「おい、レオン!」

レオン 「じゃあな。先に兵舎に戻っているぜ。」

ボイス 「……ったく。」


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