Forbidden Palace Library #00 「失われた7枚」シリーズ 外伝

『鐘の音を響かせ』




ギンっっっ! ギンっっっ!

ボイス 「くっ!」

ボイス 「遅いっ!!!」


シュッッッッッッ!

ボイス 「ぐっ!!」

ボイス 「流石は銀狼の剣――冴えが違うな。
 いや、銀狼だけの剣ではない。
 それ以前にも別の所有者はいた。」

ボイス 「!?」

ボイス 「この剣は歴史の狭間に幾度と無く登場する。
 今となっては真の名前こそ忘れられてしまったが、
 『レインエッジ』とは別の銘があったという。」

ボイス 「!」

ボイス 「本当なら600年前に葬り去られたはずのこの剣が、
 何故未だ残っているのか。
 俺も最初この屋敷で見つけたときは自分の目を疑ったよ。」

ボイス 「――――。」

ボイス 「ソース・オブ・ナレッジ。
 我々原始魔導協会と祖を同じくし、時代によっては
 我らと同一の組織たりえた探求の同志。」

ボイス 「!」

ボイス 「彼らはこの剣の存在を遙か北方で見つけだし、
 今は無きアルゲンタインという帝国の力を利用することで
 埋もれた遺産をこの大地へと取り戻した。」

ボイス 「……。」

ボイス 「恐らく、かの宰相も薄々気づいてはいると思うがな。
 何らかの対策は練っているだろうが、
 見付かりさえしなければ後は使い放題だ。」

ボイス 「かの宰相、だと?」

ボイス 「紫の貴公子とでも言った方がいいかもしれんな。
 時には自らを駒として、歴史に介入する。
 世界でただ一人、世界そのものを敵に回せる男。」

ボイス 「――一体、誰のことを?」

ボイス 「あの男の存在など、所詮お前ごときが知る必要もない。」


……ごーん。

ボイス 「午後6時の鐘か……お喋りが過ぎたな。
 この鐘の音を、お前への弔いにしてやろう。
 今すぐにここで死ぬがいい――つぁぁぁぁっ!」


ギンっっっ!

ボイス 「そうは、いくかぁああああっ!!!」


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