『エリーゼの為に』
シルバニア王国 王都シルバニア 「白亜の王都、シルバニア」 夜、町の街灯に灯される魔導の明かりが白き町に映えるその光景は、訪れた旅人達を魅了してやまないという。 実際、それがきっかけでこの町に移り住んだ者達も沢山いる。 「白亜の王都、シルバニア」 この町の人々は自分たちの住む此の町のことをそう呼んでいるが、他の都市の人々からはこう呼ばれている。 「幻惑の都、シルバニア」と。 |
「アシスト及びラントシュタイナー、ただいまステラ港より戻りました。」
「あ、おかえりー☆」
「長旅、ご苦労だったな。」
「うん。早かったねぇ。」
「って、ちょっとまてアーク、お前がどうして先に帰ってるんだっ!?」
「さぁ、それが僕にもさっぱり。」
「……なんで馬車で帰ってきた俺達が徒歩のアークに負けるんだ?」
「ねぇねぇ、
それよりウィルバーちゃんにエリーゼちゃん、
何か進展はあった?」
「ユ、ユリア師団長っ!べ、別に何もないわよっ!」
「もう、意地はっちゃってぇ☆
本当の所をいいなさいよっ!
どこまでいったのよっ?」
「ス、ステラ港まで」
「……エリーゼちゃん、熱あるんじゃない?」
「どうした、エリーゼ?」
「エリー、どうした?お前がそんな事言うなんて?」
「わ、私がそういう事言うのそんなに変?」
「いや、お前のジョークを聞いたのは初めてな気がして……」
「ところでアシスト」
「何だ?」
「エリーゼの唇はどうだった?」
「ああ、柔らかくて……」
「け、蹴りぃぃぃぃぃぃぃっ!!!」