『失われた7枚』if 〜昔話編 その5〜
「竜宮城?どっちの方角だっけ?」
「ちょっとー、ここどこなのさー」
「うん、鬼ヶ島あたりかな?」
「ええっ!?
ちょ、ちょっと待ってよーっ!
それは話が違うよぉぉっ。」
「だってほら、あそこに鬼がいる。」
「……ちゃきーん。」
「…………鬼?」
「うん、鬼。」
「ちゃきーん。」
「あの手にしているのは?」
「金棒。」
「ちゃきーん。」
「……どう見ても植木バサミだと思うんだけどなぁ。」
「ちゃきーん!
植木バサミとは失礼な!!!
俺様の華麗なる高枝切りバサミと言いたまえ!」
「うわっ、怖いよぉっ!!
ねぇねぇ亀さん、
早く竜宮城へ連れて行ってよぉっ!」
「うん、それは大変だ。」
「のんびり言ってる場合じゃなくてーっ!!!」
「待てっ、貴様っ、逃げるなぁっ!」