『失われた7枚』if 〜ピーターパン編〜
「かなり遠いところまで来たけど……ここがネバーランドなのか?」
「うん、たぶん。」
「たぶんってなんだよ、たぶんって。」
「どこかに標識があればいいんだけど……。」
「何でネバーランドに標識があるんだよ?」
「あ、でもウィルバーちゃん、
ほら、あそこ。
何か書いてあるわよ☆」
「うん、本当だ。標識に間違いない。
えっと……ほら、
ネバーランド3丁目って書いてある。」
「さ、3丁目っ!?」
「うん、あっちが2丁目。」
「いや、そういう問題じゃなくて……。
何でネバーランドなのに
番地があるんだよ?」
「じゃないと郵便屋さんが困るんじゃないかなぁ。」
「いや、だからそうじゃなくて……」
「ねぇ、ちょっと、沖合から何か船が近づいてくるわよ?」
「船?」
「あの形はキャラック……いや、
ガレオン船か?
商船にしちゃやけに重装備だが……。」
「……! 海賊船っ!」
「え?海賊船?」
「んんんっ。
遅かったねピーターパン。
君のいない間にこの島の支配権はフック船長が頂いたっ!」
「フック船長!?お前がか?」
「んんん、いや、この人。」
「ちゃきーん。」
「それ、フック、違う。」
「………………。」
「なんか睨んでるわよ、こっち。」
「んんん、言葉で言っても無駄か。」
「いや、まだ何も言ってないだろ。」
「仕方ない、ならば実力行使といこう。」
「だから何も言ってねぇってば。人の話聞けよ。」
「んんんっ、部下のベル君っ、用意はいいな?」
「おうよっ!」
「……あいつが部下なのか?」
「大砲、撃てーーーっ!!!」
「!!!」