『失われた7枚』 Mystery:001
「会場がクラッカーの音と共に暗やみに包まれたとき、
お前たち二人はなにをやっていた?
白状してもらおう。」
「私、クラッカーの破裂音に驚いて思わず抱きついてしまったんです……。」
「まったく、人騒がせなことする奴もいるもんだ。」
(もしあのとき暗くなったままだったら……『大丈夫かい?』『ええ。』
『君の胸の動悸が止むまで側にいてあげよう』『無理です。』『え?』
『だって貴方が側にいる限り、私の胸は高鳴ったままですもの。』)
「とか言いながら顔がにやけてないか?レナード。」
「……アシスト。後で覚えていろ。」
(『アリスさん……』『あ、だめ……人目が……んっ!』
『暗闇の中だ。誰からも見えやしないさ。』『で、でも……』
『全てを任せて、俺に。優しくしてあげるから。』『あっ……。』)
「……ん?」
「どうしたの、ロウクス君?」
「クラッカー……破裂音? まさか!」