TITLE: 第13の機構 −街路に潜む水難事件− |
■ 大陸歴 599年 11月 07日 ブランドブレイ王国 |
首都ブランドブレイ
露店市場 |
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大陸標準時 10:15 am □ |
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「あ、またいた。」 |
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「何?あたしがいたら不都合?」 |
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「ああ、俺の落とした少年の心を他人に拾われたくはないんだ。」 |
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「あら、こんなところで落としたの? きっと色々な人に靴の踵でにじり踏まれ、 もう見る影もなくなっているでしょうねー。」 |
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「……だからなんでそこまで言われなくちゃいけないんだ?」 |
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「訳の分からない答えを返す方が悪いのよ。」 |
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「……はい、その通りです。」 |
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「それで、こんなところで何を探してるのよ?」 |
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「まぁ、その……。」 (確かに聞き込み調査は必要だが身分をバラすわけにはいかないか。 ……そういえば、さっきリタが俺のことを私立探偵と誤解してたな。 そうか、私立探偵と偽れば今後の調査も楽になるな……。) |
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「……実は私立探偵をやっているんだが、 最近突然発生してる水たまりについてちょっとした好奇心から 独自に調査をしていてね。」 |
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「私立探偵?」 |
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(……わざとらしかったか?) |
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「なるほどねぇ。納得。 さっきからずっと私立探偵か不審者のどちらかじゃないかなーって 思っていたのよ。」 |
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「……それもずいぶんな言われ方だな。 まぁいいや。 それで、何か知っていることはないか? えっと……?」 |
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「マティルダ。マティルダ=ディラック。」 |
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「マティルダ、か。 それでマティルダ、何か知っていることはないか?」 |
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「知ってることー? 聞きたいのー?」 |
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「あ、ああ、まあ何か知っていることがあれば教えて欲しいんだが。」 |
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「……えっち。」 |
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「待て、なんでそうなる。」 |
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「そうやって人のスリーサイズ聞こうとするのね。」 |
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「誰もそんな事聞きたくないっ!」 |
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「わかった、スリーサイズより女性の脚に興味があるから 地面ばかりみていたんでしょー? ……ヘンタイ。」 |
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「だからそうじゃなくて。」 |
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「いいのよ、あたしはそういう虚しい愛があってもいいと思うの。」 |
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「頼む、これ以上勝手な解釈しないでくれ。」 |
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「でも間違っても水たまりに足をつっこまないようにね。 さっきもここに来る途中いくつかあったみたいだけど。」 |
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「いや、誰もそんなこと……。 ちょっと待ってくれ。 水たまり、どこにあったって?」 |
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「さっき都市中心街の方にあったわよ。 何?水たまりで足でも洗うの?」 |
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「その『足を洗う』っていう言い方は誤解を招くんだが……。」 |
・・・・・ | |
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(都市中心街、か。 確か騎士団がいたところだな。 ……もう一度行ってみるか。) |
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【 都市中心街 】 | 【 沿岸貿易街 】 | 【 露店市場 】 |
イベント名『なくしものはなに? その2』
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