TITLE: 第13の機構 −街路に潜む水難事件− |
■ 大陸歴 599年 11月 07日 ブランドブレイ王国 |
首都ブランドブレイ
露店市場 |
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大陸標準時 10:45 am □ |
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「なにか手がかりは見つかったの?」 |
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「いや、それがまだ見つからなくて。 ……たとえばの話だが、 『支柱』『水たまり』と聞いて何か思い浮かぶ物はないか?」 |
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「……朝顔でも育てるの? 水は植木鉢からちょっと漏れてくる程度でいいの。 でも水をやり過ぎて枯れた姿が見たいっていうのなら別よ。 いいのよ、あたしはそういう虚しい愛があってもいいと思うの。」 |
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「……だからそういうことじゃなくて。」 |
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「じゃあ何? 園芸用品屋でも始めるの? ……そういえば園芸用品で思い出したけど、 2月騎士団の前騎士団長は水差しに異様なまでの執着心持っていたわね。」 |
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「水差し?」 |
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「如雨露(じょうろ)の事よ。 確か、生まれた初孫さんにその水差しでミルク飲ませようとして 周囲に怒られたことがあると聞いたことあるわ。 いいのよ、あたしはそういう虚しい愛があってもいいと思うの。」 |
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「……虚しい愛とかそういう問題以前に、ヤなじーさんだな。」 |
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「『純粋な心』をなくしただとか『少年の心』をなくしただとか、 詩人のなりそこないみたいなことを言っているどこぞの虚しいだれかさんよりは 何倍もマシだと思うけど?」 |
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「……お前もお前でヤな奴だな。」 |
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「変わった愛の表現方法なのね……。」 |
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「頼む、もうなんでもいいからこれ以上誤解するのはやめてくれ。」 |
・・・・・ | |
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(……待てよ。 そういえば2月騎士団が何かを隠そうとしていたな。 支柱、じょうろ、水たまり……。 恐らく手がかりは2月騎士団が握っている! なんとなく接点が見えてきたぞ……!) |
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イベント名『詩人のなり損ない』
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