TITLE: 第13の機構 −都市に眠る地下遺構−

大陸歴 599 11 21 ブランドブレイ王国
ブランディウム城
地下2階 廃品回収倉庫
大陸標準時 11:50 pm

MESSAGE:
「……というわけで以上が調査報告です。」
「みゅー、調査報告です。」
「ご苦労。やはり更に深い階層が存在したか。
 とすれば、カイザリアの要塞と
 似たような構造になっていると考えるべきか……。」
「カイザリアの要塞?なんだ、それは?」
「ああ。今から450年ほど前になるか。  カイザリアの帝都地下で古代の要塞跡が発見された事があってな。
 いや、むしろ要塞の上に都市が造られていたというべきか。」
「それがこの王都ブランディウムにもあると言いたいのか?」
「……いや、まだそうと決まった訳じゃない。
 あの遺構からは似たような印象を受けるが、
 断定するには情報が少なすぎる。」
「みゅ、ちょーかん、質問でーす。」
「なんだね、リタ君?」
「そのよーさいがあったら、どうなるですか?」
「うん、いい質問だ。
 私達に有利になるのだよ。色々とね。」
「何が、どう有利なんだよ、長官。
 それで、次回はあの階段をもっと降りて調べればいいのか?」
「その件なのだが――この地図を眺めていて、
 いくつか腑に落ちない箇所があってな。
 次回はもう一度、地上を洗い直して貰うかもしれん。」
「たまには自分で足を運んだらどうなんだ?」
「……ふふふ、私は忙しいのだ。
 朝飯を食べたり昼飯を食べたり昼寝したり、
 そう、あと夕飯も食べなければならない。」
「それのどこが忙しいんだよ?
 こっちの身にもなってみろ。
 猫の手も借りたいぐらいだよ。」
「猫の手か……なるほど、考えておこう。」
「みゅー、猫の肉球ってぷにぷにしてるです。
 リタ、あれ好きです。」
「いやそうじゃなくて。
 ……って長官、『考えておこう』って何を企んでいる?
 なんとなくヤな予感がするんだが……。」
「……ふふふ。」
「ふふふ、じゃなくて。」
「……ははは。」
「ははは、でもない。
 なんだその乾いた笑いは。」
「……みゅみゅみゅ。」
「……なんで俺の周りってロクなのがいないんだ?」
「類友。」
「それを言うなぁぁっ!!!」


第3話『都市に眠る地下遺構』

お・し・ま・い


READ:
読む
あとがき

書庫に戻る


OTHER:

イベント名『エンディング』
Copyright(c)1999-2000 Fubuki Kogarashi (木枯 吹雪)