TITLE: 第13の機構 −都市に眠る地下遺構−

大陸歴 599 11 21 ブランドブレイ王国
ブランディウム城
地下2階 廃品回収倉庫
大陸標準時 10:00 am

MESSAGE:
「……なぁ長官、この部屋に入るとき気になったんだが。」
「気にするな。」
「まだ何も言ってねぇよ。
 ……確かこの間までこの部屋の入り口には
 『廃棄物倉庫』って書いてあったはずだよな?」
「そうだ。諜報部たるもの味方をも欺かなくてはならないからな。」
「じゃあなんで表札が『廃品回収倉庫』になってるんだ?」
「前々回、部屋の名前が『廃棄物倉庫』では不満だと訴えたのはお前だろう?
 だからこうしてわざわざ名称を変更して……。」
「名前変えればいいっていう問題じゃないだろ。
 ……ひょっとしてそこにある見慣れないダンボールは……。」
「ああ、さっき城のメイドがなにやら持ってきていたぞ。
 『598年度騎士団予算案』『首都中央馬車駅再整備計画書』
 『メーヴェルヴァーゲン街道補修計画』
 どれも没案らしいが、国政の内情が現れててなかなか興味深いぞ。」
「みゅー、スパイかっこいいです!」
「そういう問題なのか?
 いや確かにスパイってのは人知れずに地道に活動するのが本職だけど……
 ……って、なんでこいつがここにいるんだ?」
「前回、諜報部員として採用しただろう。
 覚えていないのか?
 なあ、リタちゃん。」
「そうでーす。みゅー。」
「というわけで今回のミッションは、地下遺構の探索だ。」
「って何事もなかったかのようにさらっと流すなよ。」
「みゅー、リタが発見した公園の秘密基地のことですか?」
「そうだ。
 とりあえずあの遺構が何のために作られたのか知る必要がある。
 そこで今回は二人で中を探索してきて欲しい。」
「探索?」
「どんな構造をしているのか、地図みたいなものを
 作ってきて欲しい。
 簡単な仕事だろう?」
「リタ、探検大好きです! やったぁ! みゅー!」
「長官の『簡単』ってのはあてにならないと思うんだが。」
「ま、とにかくがんばってくれたまえ。
 そうだな、なるべくなら午前中に地図が欲しいな。」
「また話を逸らしたな、この男……。
 ああ、わかったよ、
 午後までに調べてくりゃいいんだろ?」
「わかればよろしい。」
「はーい、調べてきまーす。
 宝探しは好きなのです!」
「ところでなんで午前中に調べなきゃならないんだ?」
「そうすれば私が昼寝の時間を充分に取れるだろう?」
「……そういう問題なのか、おい。」

MOVE:
移動先
沿岸貿易街

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