TITLE: 第13の機構 −王都に告げる風雲急−

大陸歴 599 11 24 ブランドブレイ王国
首都ブランドブレイ
ディラック商店
大陸標準時 3:25 pm

MESSAGE:
「……随分と散らかってるな。」
「虚しくなるから、あんまり指摘しないで。
 先代からずっとこうだから、
 もう色々と大変なのよ。」
「倉庫整理に臨時雇いでも連れてきたらどうだ?」
「うーん、こう見えて結構貴重なモノとかあるから、
 あんまり得体の知れない余所者を入れたくないのよねぇ。
 ……ま、だから貴方は今回だけ特別ね。」
「俺もその中に含まれてるのかよ。」
「それで絵葉書だったわね、
 ブランドブレイの都市図が描かれた。
 えっと、確かこの棚の引き出しに……。」

がさごそ

「あったあった、これよ。」
「ほぅ……少し色あせてはいるが、
 随分と美品だな。ここに描かれた俯瞰図が、
 600年前のこの王都ブランドブレイか?」
「ええ、欄外に小さく注釈書いてあるでしょ?」
「なるほど。しかし随分と物持ちがいいな。」
「ずーっと古代の紙は、単純に繊維をすり潰して
 そのまま凝縮しただけだから、ものの百年足らずで劣化したけど、
 今は魔導で精製してるから、その分長持ちするのよね。」
「魔力が込められてなんちゃらってやつか?
 初等学校で習ったような気もするが、
 詳しい事はいまいち憶えてない。」
「授業中に落書きとかしてたタイプでしょ?」
「いや、むしろ紙飛行機とか折ってた。」
「公教育なんだから税金の無駄になるわよー。」
「ああ、是非とも初等学校時代の俺にそう言ってやってくれ。
 それはともかく、これ少し写させてもらっていいか?
 大きな通りと目印のところだけでいいんだ。」
「追加で50リル。」
「…………あとで経費で落とすか。」
「まいどありー。でもちゃんと前金でちょうだいね。」
「しぶしぶしぶ。」

MOVE:
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