首都ブランドブレイ 都市中心街
大陸標準時 8:50 pm □

	「おにーちゃん！」
	「リタ、手荒な事はされなかったか？」
	「大丈夫です。おにーちゃんこそ大丈夫ですか？」
	「ああ。ひとまずはな。」
	「――２月騎士団ならびに５月騎士団、 　都市周域に包囲網を構築しました。 　首都から伸びる街道にも検問を手配しました。」
	「ふっ、ご苦労。」
	「それと、グロリア嬢ですが……。」
	「！　グロリアは無事なのか！？」
	「まだ眠りから目覚めませぬが、一応連れてきました。」
	「ん……う……。」
	「グロリア！」
	『グロリア！』
	「おねーちゃん！」
	「ふっ、気絶しているだけだ。 　命に別状はない。 　たんこぶの一つぐらい出来てるかもしれないが。」
	『ごめんね……あたしのせいで……ごめんね。』
	「……馬鹿野郎。逃げろと言ったのに。」
	「お前は、知っていたのか。」
	「何をだ？」
	「あの地下遺構の存在を。」
	「知らなかった。父から聞くまでは。」
	「……そうか、あのとき聞きに行ったから――。」
	「ふっ。何をこそこそ話している。 　大コペルニクス、ステヴィンという人物の身元については 　何か判明したか。」
	「いいえ、まだでございます。 　大急ぎで検索させております故、 　いましばらくの猶予を――。」
	「ふっ、そうか。」
	「……ラグランジュ君。」
	「…………。」
	「諜報部などという１３番目の機構は 　ブランドブレイ王国には正式に存在していない。 　この意味が分かるかね。」
	「……何が仰いたいのですか、コペルニクス元騎士団長。」
	「このままでは貴公も国家反逆罪に問われるということだ。」
	「！！！」
	「仮に逃亡を謀るなら、 　この国に留まる限りは死ぬまで永遠に、 　他国に逃げても今後20年間は指名手配の身となるのだぞ。」
	「…………なんで、こんなことに。」
	『だから、彼は主犯じゃないわ！　私が証言する！』
	「ふっ。長らく行方を眩ましていた人間の……いや、猫か。 　そんな逃亡者の証言を信じると思うか。 　だが、貴様の話が真実だと言うのであれば――。」
	「…………？」
	「その長官とやらを探し出して貰おう。」
	「！？」

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イベント名『宰相命令』
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