Forbidden Palace Library 番外編 3番街の物語

3番街地図 3番街地図 魚屋

??? 「だがこっちには人質がいるぜ?
 さっき俺がこの店の前を通りがかったとき
 確かそっちの小さい方、この親父と話をしてたよなぁ?」

魚屋の親父 「あわあわあわあわ、ロ、ローラちゃん……。」

ローラ 「……誰?その人?そんな人知らないもーん。」

オーロラ 「ほほほほほ、その通りでしてよ。」

??? 「ひ、ひでぇ……。」

魚屋の親父 「ロ、ローラちゃん、そりゃないよ……。」

ローラ 「あ。そうだ。そこの赤毛のおっちゃん☆」

??? 「なんだ?」

ローラ 「その剣って重さ何グラム?」

??? 「……さぁ?知りたいのか?」

ローラ 「うん。そこに秤があるからのっけてみてよ。」

??? 「よし。こうか?えーと……5500…5600……」

??? 「馬鹿野郎っ!剣から手を離してどうするっ!」

??? 「……あ!」

セディ 「ふっ。 気づくのが遅いっ!
 イ・エクトリア・レーベ
 地より昇れ紅蓮の炎 プロミネンスっ!」

??? 「プロミネンスっ!?禁呪だとっ!?」


ごうっ!


??? 「ぎゃあああああ!!!」

??? 「うおぉぉぉっ!?。」

??? 「……熱い……痛い……。」

??? 「くっ……。」

魚屋の親父 「なんでわしまで……。」

ローラ 「やったあ☆
 おっちゃん強ぉい!
 凄い凄いっ!」

セディ 「ふっ。それほどでも。これでもきちんと手加減を……
 ……いや、だから私はおっちゃんではないと。
 だが感謝する。よく奴らの気を逸らしてくれたな。」

ローラ 「えへへー☆」

??? 「……セディと言ったな。
 しかし炎の魔導を使ったのが仇となったな。
 所詮、紙など炎の前には無力。熱で燃えてしまう……なにっ!?」


ひょい


セディ 「ふっ。
 この紙ならご覧の通り無事だ。
 対魔導コーティングが施してあるからな。」

??? 「た……対魔導コーティングだと?そんな話ははじめて聞いたぞ!」

セディ 「……ふっ。ならば伝承保持の褒美に少しだけ教えてやろう。
 まだこの紙が一冊の本だった頃、当時のこの本の持ち主が
 冊子そのものに対魔導コーティングを施したのだ。」

??? 「ならば何故、本から数枚、いや、あるいは数十枚の紙が破れ出たというのだ?」

セディ 「虚数空間――いや、時間の奈落と言った方が分かり易いか、
 その闇の炎ともいうべき裂傷により、本の大部分は消滅した。
 だが本が完全に崩れ去る前に、わずかなページのみを握りしめた男がいた。それだけの話だ。」

??? 「……もう一つ聞きたい。
 何故あんたがそこまで知っている?
 まるで自分がその場に居合わせたかのように……?」

セディ 「ふっ。
 これ以上教えてやる義理はない。
 第一、それ以上言っても貴様には分かるまい。」

ローラ 「うん。
 あたし全然わかんない。
 せっかく手伝ったんだからもっとわかりやすく教えてよー。」

オーロラ 「ほほほほほ。
 同意見でしてよ。
 でないとわたくしの好奇心が収まりませんわ。」

セディ 「ふっ。知らん。」

ローラ 「あー、せっかく手伝ったのにぃー。薄情ー。」

??? 「お前だって魚屋の親父見捨てたくせに……。」

??? 「あんた、一体何者なんだ?」

セディ 「ふっ。
 華麗なるセディ=ラザフォード様だ。最近はそう名乗る事にしている。
 ではこれは頂いていく。さらばだ。」



▽ 移動画面



▽ 書庫に戻る


OWNER
Copyright(c)1997 FUBUKI KOGARASHI (木枯 吹雪) fubuki@kogarashi.jp 日本語でどうぞ。