Forbidden Palace Library 番外編 3番街の物語

氷屋 3番街地図 3番街地図

ローラ 「氷屋さーん、お肉ちょーだいー。」

氷屋のおばさん 「あらあら、ローラちゃん。一人でおつかい?偉いわねぇ。」

ローラ 「えへへぇ☆」

氷屋のおばさん 「で、なにが欲しいんだい?」

ローラ 「えーとね、お肉。ビーフシチューにするの。」

氷屋のおばさん 「あらぁ、いいわねぇ。
 そうねぇ、ビーフシチューだったら……ブランドブレイ産の牛肉がいいかしら。
 今、氷漬けの状態から溶かすからちょっと待ってね。」

ローラ 「はーい。」

オーロラ 「……あら、どこのどなたかと思えばローラではありませんこと?」

氷屋のおばさん 「おや、オーロラちゃん。いらっしゃい。」

ローラ 「あ、オーロラおねぇちゃん、どこいってたの?
 オーロラおねぇちゃんがいなかったから
 あたしがおつかいする事になっちゃったんだからね!」

オーロラ 「ほほほほほ、野暮なことを聞くものではなくってよ。」

ローラ 「あー、さてはまた隣のお兄ちゃん家行ってたんでしょーっ!」

オーロラ 「ほほほほほ。
 ローラは可哀想ですこと。
 貴方にも早くいい将来の旦那様が見つかるとよいですわねぇ☆」

ローラ 「オーロラおねぇちゃんだってまだ9歳だから結婚できないじゃないっ!」

オーロラ 「あと7年経って16歳になれば
 ローラより先に結婚できてよ。
 ほほほほほ。」

ローラ 「い、いいもんっ!
 そのうちにきっといつの日か、
 私だけの騎士様が迎えに来てくれるんだもんっ!」

オーロラ 「ロクな騎士ではなくってよ。ほほほほほ」

ローラ 「その騎士様はきっと優しくて、ことばたくみで、詩人さんみたいなの!」

オーロラ 「きっと妄想癖でよく喋るただの変人でしてよ。ほほほほほ。」

ローラ 「……オーロラおねぇちゃん、なんでそんなこと言うわけー?」

オーロラ 「わたくしの意志ではなくってよ。
 誰かが私にそう言わせているのですわ。
 ほほほほほ。」

ローラ 「あー、逃げたーっ!ちょっと待ってよ、おねぇちゃーん!」

氷屋のおばさん 「ローラちゃん、はい牛肉……
 ち、ちょっと? お肉解凍できたわよーっ!
 ……あーあ、行っちゃったわ。」



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