「秘書ですってば。」
「似てない?」
「似てません。」
「そうか。ちょっと僕残念だな。」
「…………。
ところでアークライト師団長、
こんなところで何やってるんですか?」
「え?なにって……お城に向っているところだよ。」
(まだ着いていなかったのか。
ここまで方向音痴というのも凄いなぁ……。)
「……それで、どうして城壁の上を歩いているんですか?」
「………。
そういやなんでだろう。
さっきまで、酒場の倉庫で迷子になっていたはずなんだけどなぁ……。」
「ど、どうして酒場の倉庫に……」
「さぁ。それが僕にもさっぱり。」
「…………。
(あまり追求するのはよそう。まともな答えは返ってこなさそうだ。)
アークライト師団長、ひとつお聞きしたい事があるんですが。」
「うん?なんだい?」
「結局ずっとこの付近にいるということは、
今日はまだ登城していない、
ということですね?」
「うん。早く行かなくちゃいけないんだけどね。」
「そうですか。どうも。」
「うん、質問はそれだけかい?
じゃあ僕はとっととお城に
向かうことにするよ。」
「はい……って、そのまま壁の上を歩いていく気ですか?」
「そうか。それも問題だね。
ありがとう、壁を降りたほうが歩きやすいよね。
壁づたいの道路を歩けばきっとお城にたどり着くだろうし。」
「ええ、そのほうがいいですよ……って アークライト師団長っ!
街の外側に飛び降りてどーするんですかぁぁぁっ!
お城は城壁の内側ですよっ!ちょっと聞いてますぅ!?」
すたすたすた…………
「……あーあ、いっちゃった。」
(全師団長達の中で、 ○アリバイがあるのは…… エリーゼ師団長、 ユリア師団長、 レナード師団長、
△アリバイはないけどお城に行ってなさそうなのは……
×アリバイがないのは……
とすると犯人はアークライト師団長を含めた3人の中の誰かということになるのか……。) |