Forbidden Palace Library #01 失われた7枚


王都シルバニア
繁華街

白い石畳とその両脇に立ち並ぶ白い商店、そして一定間隔で植えられた木々と街灯。
その大通りを人々が四方八方へと往来している。
夜に備え、早々と明かりを灯している店もあるようだ。


「あ、いたいた、レナード師団長!」

レナード 「何だ。
 また君か。
 まだ何か用が有るのか?」

「いえ、あの。
 どうして答えていただけないのでしょうか?
 もしかして何か人に言えないことでも……。」

レナード 「ユリアじゃあるまいしそんな事はせん。」

「あのー、その言い方からすると、
 まるでユリア師団長が何かいけないことを
 しているかのように聞こえるんですが……。」

レナード 「然り。」

「……ユリア師団長が一体何を?」
(まさか……。
 まさかユリア師団長がクッキーを!?)

レナード 「聞きたいか。」

「ええ、是非とも。」

レナード 「私の、邪魔をしたのだ。」

「……邪魔、ですか?」

レナード 「ああ。人が女性と話している時にいきなり店に入ってきおって……。」

「どきどき。」

レナード 「フランスパン一つ下さいだと!?
 人が……。
 人がやっとあの娘の手を握るのに成功しそうだったというのにっ!」

「しそうだったってことは握れなかったんですね……。」

ユリア 「あらぁ、レナードちゃんじゃないの。
 どう?
 パン屋の娘は口説けた?」

レナード 「……先ほどはよくも邪魔してくれたな。」

ユリア 「あらぁ☆
 邪魔だなんてそんなぁ☆
 でもレナードちゃんって最近よくパン屋の前にいるわよねぇ。」

ユリア 「そうそう、おじいちゃんが褒めてたわよ。
 レナードちゃん、最近やけに仕事が早いって。
 そりゃそーよねぇ。パン屋のアリスちゃんに会う為なら……。」

レナード 「ユ、ユリアっ!」

「それって、本当なんですか?」

ユリア 「もちろんよっ☆
 他にも色々逸話はあるのよー。
 あのねあのね、この間なんかレナードちゃんったら……。」

レナード 「そ、それ以上余計なことを喋るなっ!」

ユリア 「きゃあ☆ 怖い怖い☆
 あたしそろそろ夕飯の準備しなきゃいけないから先帰るわねぇ☆
 じゃねー☆」

「あ、逃げた。」
(しかし……。
 ユリア師団長って……相変わらずよく喋るなぁ。)

レナード 「……いいか。
 今聞いたことは全て他言無用だ。
 これは副将軍命令だ。いいな?」

「は、はい……。
 (こ、恐いよぉ。)
 あ、レナード師団長、先ほど確認するのを忘れたんですけど……。」

レナード 「なんだね?まだ何かあるのか?」

「レナード師団長は今日の午前10時頃、パン屋さんにいたわけですね?」

レナード 「そ、そうだ。それが何か?」

「わかりましたぁ。ご協力どうもぉ。」

(一応パン屋に行って確認してみるか……あれ、でもどこのパン屋さんだろう?)

「レナード師団長、もう一つお聞きしたいことが……あれ?いない。」

(自分で探すしかないのか……。)


(今のところ出会った師団長達の中で
 アリバイがあるのは……
 エリーゼ師団長、

 アリバイはないけどお城に行ってなさそうなのは……
 アークライト師団長、

 ×アリバイがないのは……
 アシスト師団長、
 ユリア師団長、
 レナード師団長、

 か……。
 でもレナード師団長とユリア師団長のアリバイはパン屋さんに行けばとれそうだ。
 これでまだ会っていない師団長は残り1人か。……どこにいるんだろう。)



▽中央公園へ行く
▽城壁へ行く
▽このまま繁華街にいる
▽住宅街へ行く



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