Forbidden Palace Library #01 失われた7枚


王都シルバニア
住宅街
パン屋ソフトブレッド

店名の刻まれた木彫りの看板がぶら下がっている。
建物自体はかなり古いのだろうが、ぱっと見た目の印象ではそれを感じさせない。おそらくここの店主が毎日丁寧に掃除しているのだろう。
ガラス越しにみえる店内には、色々な種類のパンが棚に綺麗に並べられている。

もう買い物の時間は終わったのか、今は店内に誰も客がいない。
奥のカウンターでは店番と思われる女性が本を読みふけっている。



からんからん

アリス 「あ、いらっしゃいませ。」

「あのー、ちょっとお聞きしたいことが……。」

アリス 「はい?」

(澄み通るような綺麗な声の人だなぁ。)
「今日の午前10時頃のことなんですけど……。
 ここにレナード師団長がいたと思うのですが?」

アリス 「ええ、おいでになられましたよ。ハーシェルさんも後からおいでになりましたけど……。」

(ハーシェルさん?
 ああ、ユリア師団長って本名ユリア=ハーシェルだったっけ。
 ボイス将軍も姓がハーシェルだからややこしいなあ。)

「えっと、念のために聞いておくんですが、
 ハーシェルってむさいおっさんの方じゃなくて、
 若いユリア=ハーシェル師団長のことですよね?」

アリス 「はい、そうです。フランスパンを買っていかれましたけど。」

「なるほど。じゃあ二人ともアリバイはある、と。」

アリス 「それが、どうかしたのですか?」

「あ、いや、なんでもないんだ。じゃあまたね。」

アリス 「……今度来たときは何か買っていって下さいね。」


(今のところ出会った師団長達の中で
 アリバイがあるのは……
 エリーゼ師団長、
 ユリア師団長、
 レナード師団長、

 アリバイはないけどお城に行ってなさそうなのは……
 アークライト師団長、

 ×アリバイがないのは……
 アシスト師団長、
 か……。
 これでまだ会っていない師団長は残り1人か。……どこにいるんだろう。)



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