Forbidden Palace Library #01 失われた7枚


王都シルバニア
住宅街
パン屋ソフトブレッド

店名の刻まれた木彫りの看板がぶら下がっている。
建物自体はかなり古いのだろうが、ぱっと見た目の印象ではそれを感じさせない。おそらくここの店主が毎日丁寧に掃除しているのだろう。
ガラス越しにみえる店内には、色々な種類のパンが棚に綺麗に並べられている。

もう買い物の時間は終わったのか、今は店内に誰も客がいない。
奥のカウンターでは店番と思われる女性が本を読みふけっている。


「あれ?
 レナード師団長。
 今度は路地の曲がり角で何やっているんですか?

レナード 「!!
 ……秘書か、おどかすな。
 それで何の用だ?」

「いえ、レナード師団長には特に用事はないんですけど……。」

レナード 「ならば私の邪魔をしないでもらおう。」

「はい?邪魔?
 パン屋さんの娘さん……アリスさんの、
 観察日記でもつけてるんですか?」

レナード 「失礼なことを言うな。
 パン屋に入る時機を見計らっていただけだ。
 ……いいタイミングだったのに邪魔しおって。」

「あのー、別に邪魔するつもりはなかったんですが……。」

レナード 「仕方あるまい。今日のところは諦めよう。
 ……ユリアの方にも妨害が入るとは計算外だな。
 やはりこれは綿密に計画を練った後で……ぶつぶつぶつ。」


すたすたすた

「……なんか悪いことしちゃったかなぁ。」


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