Forbidden Palace Library #02 前例なき犯罪


王都シルバニア
城壁

市街を取り囲むように聳える、白き城壁。
その城壁の内周には、道路というには広すぎる径の空間が設けられている。これは戦時の行軍を迅速に行えるよう、考慮して作られた結果なのだそうな。
もっとも、未だかつてこの王都が戦渦に巻き込まれたことは一度もないが。

城壁の前には、高枝切りバサミを手にした兵士が佇んでいる。


(手がかりは何もなし……。
 強いて言えぱ怪しい挙動不審な人物かあ。
 ……そう言われてもなぁ……)

兵士 「ちょっきんちょっきん。俺様の高枝切りバサミは今日もまた一段と美しい……。」

(……うーん。強いて言えばこの高枝切りバサミの人が一番挙動不審なんだけどなぁ……。)

(あ、まてよ。
 もしかしたら見張りの最中に怪しい人物を見かけているかも……。
 一応聞いてみるか。)

「あのぉ、ちよっと聞きたい事が……。」

兵士 「ん?おや、君はいつぞやの。
 どうした?
 この俺様の華麗なる高枝切りバサミについて何か聞きたいことでも?」

「……そういえばその高枝切りバサミ、一体どこで手に入れたんですか?」

兵士 「……。
 今日はもう店じまいだ。
 帰ってくれ。」

「み、店じまいって兵士にそんなもの……ああっ!
 本当に守衛室の扉閉めてるぅっ!
 警備はどうするんですかぁぁぁっ!?」

兵士 「貴様に任せる。」

「任されても困りますよぉ!」

兵士 「とにかく、これだけは企業秘密だ。」

「き、企業秘密って……一体……。」

▽中央公園へ行く
▽このまま城壁にいる
▽住宅街へ行く



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