Forbidden Palace Library #02 前例なき犯罪


王都シルバニア
城壁

市街を取り囲むように聳える、白き城壁。
その城壁の内周には、道路というには広すぎる径の空間が設けられている。これは戦時の行軍を迅速に行えるよう、考慮して作られた結果なのだそうな。
もっとも、未だかつてこの王都が戦渦に巻き込まれたことは一度もないが。

城壁の前には高枝切りバサミを手にした兵士が佇んでいる。


「もう一度お伺いしたいんですが、その高枝切りバサミ、一体どこで……?」

兵士 「……。
 本日のご来店、まことにありがとうございました。
 明日は午前9時より営業いたしておりますので……。」

「ご、ご来店って何なんですか?
 それに明日午前9時からって……。
 それまで一体どうする気ですか?」

兵士 「俺様は寝る。」

「ね、寝てどうするんですか!警備はいいんですか?警備は?」

兵士 「貴様に任せる。」

「だから任せられても困りますってば!
 ってああっ!そんなところで寝ないで下さいっ!
 お願いだから高枝切りバサミを抱きながら寝るのだけはやめてください!」

兵士 「とにかく、これだけは国家機密だ。」

(……あ、怪しい……。)

▽中央公園へ行く
▽このまま城壁にいる
▽住宅街へ行く



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