王都シルバニア
住宅街
大通りから少し離れた区域に広がる住宅街。
繁華街から入ってくると路地が狭く感じられるが、それでも他の都市に比べれば充分な道幅を有している。これは戦時の行軍を考慮しての径だと言われている。
もっとも当の住人らにはそのような意識などなく、広い路肩は荷物置き場として使われてしまっているのが現状である。
街角の子供達がこちらを興味津々の目で見ている。
「ちょっとっ!そこの貴方っ!
再警告しますっ!
直ちに止まらない場合はシルバニア都市法第12条3項の適用により魔導攻撃を……」
「そんなぁぁぁっ!」
「……ねぇ、やっぱり今の声、どこかで……?」
「気のせいだろ。……エリーゼ、魔導使っていいか?」
「……許可するわ。」
「ち、ちょっとまっ……」
「イ・アイル・ラーザ 氷の牙よ、いざ大地よりそびえ立てっ!アイスファング!」
「うわわわわわわわっ!」
(……どうして。
どうして私がこんな目にあわなくちゃいけないの!?)
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