Forbidden Palace Library #03 花束を彼女に


王都シルバニア
住宅街

大通りから少し離れた区域に広がる住宅街。
繁華街から入ってくると路地が狭く感じられるが、それでも他の都市に比べれば充分な道幅を有している。これは戦時の行軍を考慮しての径だと言われている。
もっとも当の住人らにはそのような意識などなく、広い路肩は荷物置き場として使われてしまっているのが現状である。

家々の窓からは明かりと共に楽しそうな笑い声が聞こえてくる。


「アシスト師団長。一つお尋ねしてよろしいですか?
 前からずっと不思議だったんですけど、
 どうしてその年齢であんなに多くの魔導を習得しているんですか?」

エリーゼ 「私も気にはなっていたのよ、アシスト師団長。
 貴方、どうやって禁呪とか消失魔導とかたくさん覚えたの?
 一般には知られていないはずよ?」

アシスト 「過去から、継承したのさ。」

「……過去?」

アシスト 「それ以上の事は今は言えない。
 …………。
 よしんば言ったとしても、誰も信じてくれないだろうけどな。」

「本当、アシスト師団長の過去って謎が多いですよね。」


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