「てくてくうろうろ。」
「あっ、アークライト師団長っ!」
「うん。なんだい、呼んだ?」
「なんだい、じゃないですっ! 勝手にふらふらどこ行ってたんですか?」
「それが僕にもさっぱり。気がついたら迷ってて。」
「……階段を上がるだけなのに、どうやったら迷えるんだろう……。」
「何はともあれ、無事で何より。」
「うん、ありがとう。」
(この二人、何かがどこかでずれているんだよなぁ……。)
「うん?何か言ったかい?」
「いえ、なんでもないです。さ、早く階段を上って謁見室に行きましょう。」