王都シルバニア
中央公園
雪雲という名の季節の渡航者が落としていく白い粉は美しく、そして儚い。
その美しさに惹かれるかのように子供達は天を仰ぎ見、そしてその冬の落とし子を口にしようとするが、白い結晶はすぐに姿を消してしまう。
だがそれでも子供達はあきらめず、次々と降り続ける雪を食べようとあたりをちょこまか動き回っている。
(……なんか公園のあちこちに雪だるまがあるなぁ。
そういえばわたしも昔よく作ったっけ……
ん?なんだ、あの頭の黒い雪だるまは?)
にゃ〜ん。
(あ、なんだ、猫が乗ってたのか。
……あの場所が気に入ったのかなぁ?
雪だるまの頭の上ぐるぐる回ってる……。)
ぽてっ。
(あ、落ちた。)
にゃっ!
(……なんかふらふらしているけど……
ひょっとしてぐるぐる回っていたから目を回したのかな?
……ってこんな事している場合じゃなかった!書類を探さなきゃっ!)
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