Forbidden Palace Library #05 異存なき決定


王都シルバニア
住宅街

住宅街は繁華街よりも街灯の数が少ない。
だが決して暗いわけではない。他の町の住宅街に比べれば遙かに明るい部類に入るだろう。
地面に積もる雪も街灯に照らされて白く輝いているものの、その人通りの少なさ故に辺りはどことなく寂しさを醸し出している。

パン屋ソフトブレッド。 木彫りの看板のぶら下がったそのお店の中から、人の話し声が聞こえてくる。




からんからん

「あ、まだ紅茶飲んでる。」

レナード 「なんだ秘書か。何か文句あるのか?」

「いえ……今日はいつもに比べて居る時間が長いなぁと」

レナード 「雪だからな。」

「……理由になるんですか?」

レナード 「何か言われても雪でオレンジ色の列車が遅れたと言えば済むことだ。」

「そ、それは洒落になりませんってば。
 ……って時代考証無視しないでくださいよ。
 それ以前に関東の人にしか分からない話じゃないですか。」

レナード 「安心しろ、
 どこぞの木枯吹雪という人物はキャンパス移動の為に
 今年からどこぞの帝都線を使う事になるらしいからな。」

「いえ、そういう事を言っているのではなくて……
 だいたい同じ系列会社でも、
 いままで木枯吹雪が使っていたのは黄色い列車じゃないですか。」

レナード 「気にするな。
 どうせこれは隠しイベントの中でも
 発見しにくい部類に入るのだろう?」

「まぁそうですけど……」

レナード 「ならば気にするな。」

「…………何かいまいち納得できないなぁ。」



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▽城壁へ行く
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