Forbidden Palace Library #05 異存なき決定


王都シルバニア
王城3階 作戦会議室



レミィ 「というわけで新副将軍はケイン=アークライトに任命いたしますわ。」

アーク 「うん。ありがとう、レミィ陛下。」

ユリア 「おめでとー、アーク☆」

エリーゼ 「アークライト副将軍、おめでとうございます。」

「何か……私はとてつもない間違いを犯してしまったのでは……」

レナード 「どうした、秘書?」

「いえ、なんでもないです。」

レミィ 「……ふぁ。眠くなってきたのでちょっと一眠りさせていただきますわ。」

ボイス 「女王陛下っ!!!」

レミィ 「だってわたくし、眠いお年頃ですもの。zzz」

「ね、眠いお年頃って一体……」

アシスト 「ということは陛下と同じ年齢の俺も眠い年頃なのか?」

「え?アシスト師団長っておいくつでしたっけ?」

アシスト 「俺?25。」

ボイス 「女王陛下っ!起きて下さいませっ!」

レミィ 「zzz……ふにゃふにゃ……うにゅーん……」

「あーあ、寝ちゃった。」

ユリア 「レミィちゃん、一度寝るとなかなか起きないのよねぇ。」

ベル 「でもそのわりには、夜中になると元気にお城の中歩き回っているよな。」

「……あれ?」

レナード 「どうした、秘書?」

「いえ、
 レナード師団長が将軍に昇格すると言うことは、
 王立軍第二軍は今後誰が指揮するんです?」

ボイス 「何故あらかじめわしに聞いておかんのだ?」

「いえ、
 何度もお尋ねしようとしたんですが
 その間ずーっとクッキー買いに行ってて留守だったじゃないですか。」

アシスト 「ああ、だからじーさんの顔見るのやけに久しぶりなわけだ。」

ボイス 「そうか。そうやって他人のせいにするのか、秘書は。」

「た、他人のせいって……だって実際……」

ボイス 「よしわかった。じゃあお前は本日限り……」

「あ、う、嘘ですっ!全て私が悪いんですぅっ!」

ボイス 「そうかそうか。」

アシスト 「じゃあ罰として俺の実験台ってことで。」

「な、なんでそうなるんですかぁぁぁっ!?」

エリーゼ 「……ロウクス君?」

アシスト 「あ、いや、嘘だ。いてっ!そんなに強くつねるなよエリーゼっ!」

エリーゼ 「……レミィ陛下の前だから蹴りだけは勘弁してあげるわ。」

「で、今後は誰が第二軍を指揮されるんですか?」

ボイス 「うむ。本来ならば
 第二軍の副師団長が師団長に昇格するのだが、
 レナードの率いていた第二軍はかねてより副師団長が欠員でな。」

エリーゼ 「ということは私が師団長に昇格した時と同じ状況なわけですね?」

「つまり、
 しばらくの間は副師団長として師団長代理を経験して、
 しかる後に師団長に、ということですか?」

ボイス 「そういうことじゃ。」

「ところでその役職には誰が?」

レナード 「そろそろ来る頃だな。」


ちゃきーん。

「…………え?」

ボイス 「前にも言ったと思うが、この国の慣習でな」


ちゃきーん。

「……この音は……」

ボイス 「師団長・副師団長の欠員補充には基本的に」


ちゃきーん。

「……あのー、ひょっとして……」

ボイス 「城壁守備隊長が昇格することになっている。」


ちゃきーん。

「ま、まさかっ!?」


ちゃきーん。

…………。

(音が止まったっ!!!)


こんこん。

コペルニクス 「シルバニア王立軍第2軍副師団長 ジェラード=コペルニクス、入ります。」


ちゃきーん。

「そっ、そんなっ!?」

コペルニクス 「ん?おお、貴様か。
 また会ったな。
 どうだ、俺様の華麗なる高枝切りバサミもこの日の為にピンクのリボンを……」

「ええっ!?
 う、嘘ですよねぇっ!
 ねえ、ちょっと、レナード将軍!?」

レナード 「ふむ……蝶々結びのリボンの事か?私は決して嫌いではないが……」

「そうじゃなくてっ!本当にこの人が第2軍の副師団長になるんですかぁっ!?」

レナード 「……何か異存でも?」

「ち、ちょっと待ってくださいよぉぉぉぉぉぉっ!!!」



おしまい☆


▽あとがき



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