「あっれぇ?」
「どうしたんですか?」
「お店の中にアリスちゃんがいない。」
「え?あれ?本当だ。……聞いてみましょうか?」
「いらっしゃいませー。」
「ねぇねぇ、デニスちゃん、おねぇちゃんどこ行ったかしらない?」
「レナードおにぃちゃんと一緒に中央公園に行くって。
僕も行くって言ったらおねぇちゃんお留守番してなさいだって。
おねぇちゃんたちずるいよ。大人ってずるいよ。」
「いや、それはちょっと違うんじゃ……」
「もしかするとやぱり僕この家の子供じゃないのかもしれない。
やっぱり僕がセロリ畑で生まれたんだうぇーん。
セロリ嫌いなのにでも好き嫌いはしちゃダメだっておねぇちゃんが」
「……あ、あのー、もしもし?」
「大丈夫よ、デニス君。
貴方はこの家の子のはずよ。
だってお姉ちゃんと同じ髪の色しているでしょ?」
「……うん。わかった。帰ってきたら聞いてみる。ありがとう。」
「いいえ、どういたしまして。」
「……お前、優しいな。」
「な、何よ?」
「……いや、いい母親になれるぞと思ってな。」
「な、な、何言っているのよっ!」
「とにかく、レナードは中央公園に行ったみたいね☆」
「……あのー、やっぱり行くんですか?」
「もっちろんー☆」
■