「……レナード将軍、逃げるの上手いですよね……」
「ああ。あいつ昔は諜報っぽいこともやっていたらしいからな。」
「え?そうなんですか?」
「ああ。1年前の事件の時も……ああ、いや、なんでもない」
「ロウクス君。
前からずっと聞きたかったんだけど、
1年半前、この王都で何があったの?」
「1年半前?」
「そう。一般には知られていないけど、いまから1年と半年前、
この王都で何か事件がおこったらしいのよ。でも私もよくは知らないの。
ロウクス君とレナード将軍が二人だけで内密に片づけちゃったみたいだから……」
「……いずれ、教えなきゃならねぇだろうな、エリーゼには。
でも、まだ教える時じゃないんだ。
……今、俺が研究している魔導が完成するまで待ってくれ。」
「何の魔導を研究しているんですか?」
「脳内に於ける長期記憶の人為的想起及び……」
「は、はいっ!?」
「……って言ってもわかんねぇか。
めんどいから説明はパス。
とにかく、レナードを探すぞ。」
「あ?え?ち、ちょっとロウクス君!?」
「あ、ちょっと待ってくださいよアシスト師団長ーっ!」
★★