「あ、秘書ちゃん」
「どうしたんですか、ユリア師団長?扉の前に立ちすくんで?」
「うん……あのね、秘書ちゃん」
「?」
「この扉、開けてくれない?ガタって音がしたの、中で。」
「いいですけど……どうしてユリア師団長が開けないんですか?」
「だって……暗そうなんだもん、部屋の中。」
「……いや、まぁそりゃ暗いかもしれませんけど……」
「ね?
お願い、開けて開けて。ね?
……でもお化けだったら怖い……。」
「ち、ちょっとそんなこと言わないで下さいよ。
こっちまで怖くなるじゃないですかっ!
と、とにかく開けますよ……」
「きゃあっ!何か動いたぁぁっ!?」
「え?え?」
「うん。どうしたんだい、ジュリアさんと辞書……」
「秘書ですってば。
……それよりアークライト師団長、
そんなところでなにやっているんですか?」
「さぁ、それが僕にもさっぱり。
作戦会議室に行こうとしたらこんなところに出ちゃって。
おかしぃなぁ、どこでどう道を間違えたんだろう。」
「……そういう次元なんですか?」
「んもぉ、びっくりさせないでよね、アーク。」
「うん。僕も驚いた。」
「………………この人って一体……。」
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