「いらっしゃいませ……あら?」
「あー、やっぱりここにいた。」
「……何のようだね、秘書。」
「いえ、さっき散歩に行くとか言ってたので、
もしかしたらここかなと覗いてみたんですが……
冗談ではなく本当にアリスさんのところへ来ていたんですね。」
(そんなに私に逢いたくて……?
『君のことを想うと、夜も眠れないんだ』『あ、あの私もです……』
『だから、君を腕の中において眠りたいんだ……』『そんな……』)
「……何か問題でも?」
「ありますっ!
職務時間外の行動でしたら構いませんが、
今はまだ勤務中ですっ、レナード将軍っ!」
「わかった、では私は今から自主的に休暇に入ろう。
……そうか。
取り上げた有給休暇を私自身が使ってしまえばよかったのか。」
「…………しくしくしく。
私の有給休暇……。
ん? アリスさん、どうしたんです? 赤くなって?」
「あ、いえ、なんでもありません……。」
(あやうく妄想癖がバレるところだったわ……。
ううん、でも負けちゃダメ。アリス、ふぁいと!)
「とにかく、ちゃんと仕事に戻ってくださいよ?レナード将軍。」
「……そのうちな。」
「そ、そのうちって…………。」
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