「というわけで、
前回の最後で秘書から取り上げた有給休暇だが
まだそのまま残っていてな。」
「あのー、それ本気で返してくれないんですか?」
「無論。」
「しくしくしく。」
「で、没収した有給ってどのぐらい残っているんだ?」
「約2週間というところだな。」
「14日間……それだけあったら温泉旅行行けるわねー☆」
「どこの温泉いくつもりだよ?」
「フーリエ温泉☆ 肩こりに効くのよ☆」
「……そういえばアークライト師団長だけじゃなく、
ベル師団長の姿も見えないんですが。
どこいったんでしょう?」
「確か今日は非番だったはずよ。」
「いなければその分俺が有給休暇を手にする確率が上がるわけだしな。」
「そうそう、話を逸らそうとしたってダメよ、秘書ちゃん☆」
「しくしくしく。それで、その有給休暇どうするんです?」
「よし、ではこうしよう。」
「ってレナード将軍っ!!!
窓から紙飛行機にしてとばしてどうするんですかぁっ!?
有給休暇の書類ですよっ!?」
「早い者勝ち、ということで。」
「なにっ!?」
「ええっ!?」
「あああああ、ユリア師団長とアシスト師団長が……」
「よし、わかった。
ならばあの書類を無事に取り返したら、
有給は全てお前に返してやろう。」
「ええっ!?本当ですかっ!?」
「私に二言はない。」
「……いつもすぐ意見ころころ変えている気がするんですが。」
「何か言ったか?」
「いえ、何も。」
「そんなこと言っている間に、書類は奴らの手に渡ってしまうかもしれんぞ?」
「ああっ!
はやく探しに行かなきゃっ!!!」
(これはなんとしても、取り返さなくては…………。)
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