Forbidden Palace Library #10 舞え軽やかに


王都シルバニア
王城3階 作戦会議室前




こんこん

…………。

「レナード将軍。」


こんこん

…………。

「レナード将軍?秘書です。失礼します。」


しーん。

がちゃっ

「あれ……いない?」


すたすたすた

「あ、ユカワさん。
 レナード将軍どこに行ったか
 ご存じありません?」

ユカワ 「1番。」

「はい?」

ユカワ 「式の準備のために、王都の方に。」

「あ、そうですか……。」
(入れ違いか……このまま待っていてもいいけど、
 いつ戻ってくるかわからないし……弱ったな。)

ユカワ 「2番。」

「え?」

ユカワ 「心の準備があるとかで、パン屋さんに。」

「……え?心の準備?」

ユカワ 「3番。ふるえるわかめを買いに行くために、繁華街まで。」

「はい!?」

ユカワ 「さて、正しいのはどれでしょう。」

「……え、えーと。」

ユカワ 「正解は。」

「正解は?」

ユカワ 「自分も知りません。」

「だったらそんな問題出さないでくださいっ!」

ユカワ 「だってその方が面白いし。」

「……聞いた私が馬鹿でした。」

ユカワ 「実のところ将軍でしたら、街の方に出て行かれました。」

「って、知ってるなら最初からそう言ってくださいよ!」

ユカワ 「そうか、もっと問題ひねればよかったかな。」

「いえ、あの、ですからそういう問題でもなく。」

ユカワ 「今度はもっと面白い事考えておくよ。」

「お願い、普通にしてください……。」

(街の方か……入れ違いだったのかな。
 でも、一応報告に行かないといけないし、
 もう一回戻るとするか……。)



▽ もう一度街に出る



▽ 書庫に戻る

OWNER
Copyright(c)1997-2002 FUBUKI KOGARASHI (木枯 吹雪) fubuki@kogarashi.jp 日本語でどうぞ。