「ちゃきーん」
「……こんな所で何やってるんですか、コペルニクス副師団長」
「うむ。聞きたいか」
「聞かない方がいい気もしてきました」
「そうかそうか、では教えてやろう」
「あの、人の話聞いてます?」
「先程、この付近でネックレスを首に掛けた猫が
うろついていたという連絡を受けてな。
街の治安を守るために急行してきたというわけだ」
「あーはいはい、
そうなんです……か…。
え?猫?ネックレス?」
「うむ」
「それで、その猫はどっちに行きました!?」
「知らん」
「知らん、て」
「しかし、近くの茂みに妙な小動物の気配を感じたので、
ひとまず捕獲準備を整えようと、俺様の華麗なる高枝切りバサミを
虫取り網仕様に換装しようとしたのだが」
「だが?」
「その間に気配が消えてしまってな」
「……もしかして怯えて逃げたんじゃないですか、それ」
「ちゃきーん」
「だから振り回さないでくださいってば」