あとがき
ああ、ずっとこの話が書きたかった。
というわけで木枯吹雪です。
ペパリッジファームのストロベリージャムクッキーおいしいよね。
今回のお話、元々は『失われた7枚』裏シリーズとして、「同じサブタイトルで異なるストーリーが展開する」という方向性で、
わりと初期の頃から考えていたものだったのですが……。
まぁ十二話全部シリアスを前面に出しても面白くないよなぁと、長らく扱いに悩んでいました。いや本当に長く悩みすぎでは。はい。
中途半端にするぐらいならこのまま無かったことにしたほうが良いのではなかろうかとも考えた時期もあったのですが、
やっぱり伏線の回収とこのオチだけは書いておきたいな――ということで、内乱と革命に関する要素をバッサリと切り落として、
ラブコメ要素だけをメインに据えて、続編としてギュッとまとめました。
原型の残っているプロットから抜粋すると、当初の予定ではこんな感じでした。
「失われた7枚」
女王陛下による任命書、その全てが当日の朝に忽然と消え失せた。
式典まで残された時間はたったの2時間。
果たして秘書は、失われた7枚全てを見つけることが出来るのだろうか?
「花束を彼女に」
王立軍名義で女王陛下に届けられた花束。だがそこには毒が塗られていた……。
致命傷に至るものではなかったため、事は大事に至らなかったが
その真犯人を探るために秘書は捜査を始めることになったが……。
「異存なき決定」
突然下された師団長総辞職令。その筆跡は女王のものではなかった。
だが、女王陛下はまだ眠りから覚めない。
事実上その間に動けるただ一人の人間となった秘書は……。
「夜明けの前に」
共和派によるレナード将軍の誘拐は、夜明け前に決行された。
課せられたのは、その全てを隠密に処理すること……。
いっさい、口外されぬように。
「夢見よ乙女達」
事件の裏で糸を引いていた者は誰か。
そしてその真の目的は何か。
全てが明かされる時が来た――。
なんだこのサスペンス。どう考えても私の芸風ではないので、書かなくて正解だったのかもしれない。
既にお気づき気の読者も多いと思いますが、登場人物の名前は実在した科学者・発明者から、
姓・名のどちらかを借りています。
アークライト → 紡績機の発明者
ハーシェル → 天王星の発見者
セルシウス → 摂氏(℃)の考案者
ラントシュタイナー → ABO式血液型の発見者
ウィルバー → ライト兄弟より
このあたりは中高生が読んだときに、勉強の助けになるかなぁと思って仕込んだというのもあるのですが、
本当に役立っていたのかどうかは不明です。
お陰で期末テストが楽だったよ!という人がいたらこっそり教えて下さい。
失われた7枚シリーズはこれで完結です。この世界がどこまでも続いていくことを願って――。
ではでは。
第1話公開から25年が経過したことに気付きながら
木枯 吹雪
2022/06/15 初版
おまけ:百科事典
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