Forbidden Palace Library #00 「失われた7枚」シリーズ 外伝

『僕は、語らない』




てくてくてく


エリック (目的調査地はまだまだ先かぁ……。
 これから数日はこのまま歩き続けるのか。
 ……馬車ぐらい使わせてくれてもいいのに。)


すたすたすた



ぽんっ。


ライアン 「よぉ。確かお前、このあいだこの調査隊に配属されたやつだったよな?」

エリック 「あ、うん。君は?」

ライアン 「さっきの号令の時聞いていたかもしれないけど、
 俺はライアン。ライアン=プリーストリィ。
 同い年同士仲良くやろうぜ。」

エリック 「あ、うん。
 僕、エリック。
 エリック=ハミルトン。」

ライアン 「ハミルトン……?
 って、軍事家を代々輩出しているあのハミルトン家か!?
 そりゃすげぇっ!」

エリック 「……そうなの?知らない。」

ライアン 「なんでその子孫が知らないんだよ。
 このカイザリア帝国が建国されたときも、
 初代参謀を務めたっていうあの家系だろ?」

エリック 「あ、その話本当だったんだ。
 昔よく聞かされていたけど、てっきりただの冗談だと思ってた。
 わぁ、それはすごいや。」

ライアン 「…………おーい。」

エリック 「でもそれ、本当に本当なの?」

隊長 「ああ。ハミルトン家の一族から出た軍人の数は
 両手では数えきれないほどだ。
 もちろんこれには分家のベル家も含んでいるがね。」

ライアン 「メンデル隊長……。」

隊長 「かつての対エンディル戦の前夜、
 カイザリア帝国が極秘にあるものを捜索しようと
 シェザまで隠密兵を派遣したことがあった。」

エリック 「シェザ?そこになにがあったの?」

隊長 「……それはともかく、
 その時も信頼面からしてハミルトン家の一族の者が、
 つまりベル家の者が選ばれたそうだ。」

エリック 「……それでシェザでなにを探したの?」

隊長 「…………。
 ……さぁな。
 詳しくは『3番街の物語』を参照してくれ。」

エリック 「???」

隊長 「いや、気にするな。さ、先を急ぐぞ。」




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