Forbidden Palace Library #00 「失われた7枚」シリーズ 外伝

『僕は、語らない』



メンデル隊長 「……ここから先の地域は、
 定義上では旧アルゲンタインの領土となっていたが、
 現在は事実上どこの国にも所属していない。」

エリック 「どこにも?
 アルゲンタイン帝国崩壊の後、
 カイザリア帝国がその全てを引き継いだにもかかわらず?」

メンデル隊長 「その原因は未だはっきりとはしていない。
 だが言えることは、今や歴史から抹消されようとされている、
 地図にも載っていない空白の地域に我々はいるということだ。」

ライアン 「測量すらされていないのか?」

メンデル隊長 「……ライアン。方位磁石を見て見ろ。」

ライアン 「方位磁石? ……なぁっ!?回転してるっ!?」

メンデル隊長 「そう。このあたりから磁場が狂い出すのだ。」

エリック 「磁場が……どうして、また?」

メンデル隊長 「かつての人間の過ちだ。
 世界の法則のほんの一部を、
 全ての物理法則だと思いこんでいたが故の……。」

エリック 「隊長、答えの意味がいまいちよくわからないのですが……。」

メンデル隊長 「いずれ、分かるときが来る。
 それよりもトンネルが見えてきたぞ。
 これで目標までおよそ半ばの距離を来たことになるな。」

ライアン 「半分、か。」

エリック 「え、でも入り口、崩れてますよ。
 崖崩れをおこしてます……。
 調査はここまでで引き返します?」

メンデル隊長 「いや、強行突破だ。……爆破する。」




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