『僕は、語らない』
「アインシュタイン・プロジェクト!?」
「世界に隠された真実。
……科学文明の暴走によりこの地球は一度滅びかけたことがあった。
だが、それを救ったのもまた科学文明だった。」
「!? 魔導が新たなる文明を拓いたんじゃないのか?」
「考えても見ろ。
一昼夜にして文明の基軸が代わることなどありえない。
それは後の世代が作り上げた物語だ。」
「じゃあ、何故っ?!」
「かつて科学文明が栄えていた時代。
資源の枯渇したこの地球から外へと人類が脱出しようとしていたその頃。
その鍵となるべき実験が行われた。」
「…………。」
「アインシュタインの相対性理論。
その理論の真偽を確かめるべく地上で実験された計画。
すなわち、光の湾曲。」
「!?」
「空間そのものをねじ曲げる実験が行われた。
……その実験が成功したのか失敗だったのかは
誰も知らない。」
「結果はただこう伝えられている。
アウト・オブ・コントロール、と。
……ただその一言だけが。」
「アウト・オブ・コントロール……暴走したのか?」
「言えることは一つ。
真実の追究のため、その代償として
一瞬の間に世界は崩壊した。物理的に。」
「!!!」