Forbidden Palace Library #00 「失われた7枚」シリーズ 外伝

『僕は、語らない』



メンデル隊長 「その崩壊が故に、
 多くの生物はその姿を変え、
 世界地図は一瞬にして激変した。」

メンデル隊長 「世界が崩壊したその時、
 この惑星はもはや自己回復すらできない状態に陥っていた。
 人間が自ら蒔いた種が故に。」

メンデル隊長 「……だが、この大陸に残った人類は残された科学技術を、
 皮肉にも対火星用に開発されていたテラ・フォーミング技術を
 この地球自身に応用して急速なる自然の再生を試みた。」

エリック 「……テラ・フォーミング?」

メンデル隊長 「そして、それは成功した。
 地殻変動した大地に木々は育ち、大陸に緑があふれることとなった。
 それが今日我々の住むこの大陸なのだ。」

エリック 「……まさか……そんな……対、火星用の……技術?」

メンデル隊長 「そう、かつてマルスと呼ばれていたその星への技術を。」


どさっ。


ライアン 「……隊長、今度は一体何をする気だ?」

メンデル隊長 「持ってきた火薬を設置するのだ。
 追っ手が来ないように、
 このトンネルを封鎖する為に。」

ライアン 「!?
 ちょっと待てよ!
 そんなことしたら帰れなくなるだろうが!」

メンデル隊長 「構わん。目標は北方に残された古代の知識だ。
 それさえ手にすればなんとでも帰ることはできる。
 だがそれより、カイザリア兵が追ってこないように道を封じるのが先決だ。」

ライアン 「隊長、あんたは何をそんなに心配して……」

??? 「……ふっ。追ってきたのがカイザリアの兵でなく残念だったな。」

エリック 「!?」

メンデル隊長 「誰だっ!?」

??? 「ふっ。やはり来て正解だったか。」

メンデル隊長 「どういう意味だ?」

??? 「ふっ。今回の北方調査隊は挙動が不審すぎたということだ。」

ライアン 「……お前は誰なんだ?」

??? 「ふっ。
 貴様が知る必要はない。
 特に、これから死に行く者にはな。」




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