Forbidden Palace Library #00 「失われた7枚」シリーズ 外伝

『僕は、語らない』



エリック 「まさか、
 ずっと僕達の後を付けていたり、
 時折忠告の声を投げかけていたのは……。」

??? 「ふっ。
 やはり気づいていたのか。
 ならばその時点で引き返しておけばよかったものを。」

メンデル隊長 「……トンネルを封じるのが遅かったか。」

??? 「どうやって封じるつもりだったのだ?
 魔導で破壊するには威力が足りないだろう。
 ……ん?この匂いは……。」

メンデル隊長 「分かるのか、この匂いがっ!?」

エリック 「匂い……?」

??? 「……火薬の匂いか……なつかしいな。
 改めて、私がいまここにいなければならない理由を
 思い出させてくれるな。……本当に懐かしい匂いだ。」

メンデル隊長 「!?
 もはやこの大陸の人間は火薬の存在すら知らないはずなのに、
 何故これが火薬だとわかる!?」

??? 「その質問、そっくり貴様に返したいところだな。
 ……そうか、その大量の火薬でトンネルを封じ、
 追跡者から逃れるつもりだったのか……なるほどな。」

メンデル隊長 「ぐっ……!」

??? 「とりあえず周囲に火薬の入った袋を置いたその状態で、
 邪魔者である私が現れたということか。
 ……しかし実に案配のよいところに火薬が置かれているな。」

メンデル隊長 「!?」

??? 「火薬というのは、このようにして使うのだ。」

ライアン 「え?」

???……ユメル・ヴァイス・ガーディエル
 煌々たる炎よ 己が力を解放し破裂せよ!
 イクスプロージョンっ!!!


どごぉおおおおおんっ



どごぉおおおおおんっ



どごぉおおおおおんっ


エリック 「!? 連鎖爆発っ!?」

??? 「ふっ!」


どごぉおおおおおんっ



どごぉおおおおおんっ


ライアン 「ぐぁあっ!?」

エリック 「ライアンっ!!!」


どごぉおおおおおんっ



どごぉおおおおおんっ



………………。


??? 「…………ふっ。
 遠くに仕掛けられた火薬までは連鎖爆発を起こさなかったか。
 だが、それでも威力は十分だったようだな。」

ライアン 「あ……ぐぁ…………。
 なんだ……どうして……。
 俺の体が……血に……染まって……。」

エリック 「ライアン!大丈夫か!?」

メンデル隊長 「……そうか、そういうことか。」

エリック 「!?」




▽次へ



▽目次に戻る


OWNER
Copyright(c)1997-1999 FUBUKI KOGARASHI (木枯 吹雪) fubuki@kogarashi.jp 日本語でどうぞ。