『僕は、語らない』
「……そうか、そういうことか。
存在しないはずの、爆発の魔導を知る者。
なるほどな。それなら納得もいく。」
「ふっ。何がだ?」
「我が一族に伝わっている昔話がある。」
「今より200年以上昔のエンディル大戦前夜。
私の祖先の関わったとある国家機密計画が、
薄紫の髪をした一人の魔導師によりつぶれたと。」
(出発してすぐの時に、隊長が言っていた話のこと……?)
「そして、こういう話も聞いたことがある。
かつて、この大陸に魔導をもたらした人物についての伝説を。
そう、薄紫の髪をした一人の魔導師だったと……。」
「……ほぅ。
だとしたらどうするのというのだ?
大人しく死ぬ覚悟でもできたのか?」
「……いや、死ぬ覚悟で魔導を試すのみ。
ソース・オブ・ナレッジ、
原始魔導協会の名にかけて!!!」
(一体何をする気なんだ……メンデル隊長?)
リード・フォース
「理力、解放。
インクルード、インクルード、インクルード……
……魔力、吸収、吸収、吸収、吸収、吸収……。」
「!!!
まさか貴様!
限界以上の魔力で魔導を発動させる気かっ!?」
「限界以上の……魔力?」
インクルード、インクルード、インクルード……
「……魔力、吸収、吸収、吸収、吸収、吸収……。」
「やめろっ!貴様自身も身を滅ぼすぞっ!!!」
「構わんさ。
伝説の人物を巻き添えに出来るのならばな!
……シャラン・リィ・エリウクセス!」
「無理だ!
それほどの魔力を受け入れることができるわけなどない!
人間では容積的に無理だ!!!」
「さやかなる輝きよ、散れっ!!!
シャイニング……ダス……!
ぐぁあああああああああああっ!」
「!!! やはり制御に失敗したか!
イェリア・メーレ・ケレントゥス!
弧よ 防ぎ跳ね返せ リフレクト!!!
「!?」
「うわっ!? ああああっ!?」