『僕は、負けない』
「セカンド。お前の所の三番目にはまだ何も教えていないみたいだな。」
「…………。」
「いいだろう、命令の説明も義務のうちだ。
……サード、と言ったな。
最終封地戦。この言葉を知っているか?」
「!」
「?」
「別の言い方をするならば、宰相命令第9967号。
『風の港――アイレスを隔離し、北方を完全封鎖せよ。
その封地は永年解くことなかれ。』」
「それが宰相命令第9967号だ。
封鎖に向かった5名に与えられたのは、
H.A.ナイトレート爆薬、そしてカーボンブレイド。」
「ないとれーと……かーぼん、ぶれいど?」
「古代兵器の隠滅処理も兼ねていたのだろう。
ラファエル王国に残存していた旧兵器の中で
破棄処理の間に合わなかったものを全て渡された。」
「あ、あの、それと僕たちにどう関係が……?」
「――その5名のうち、
1名がノーベルという姓を名乗っていた。
この意味はわかるな?」
「!」
「そういうことだ。」
「……か、仮にもしもそれが
僕たちの祖先だったとして、
どうして僕たちが……根絶やしにならないといけないの?」
「まぁ待ちたまえ。それには続きがある。」
「続き?」
「宰相命令第9968号。」
「!」
「『ウィーヒェルト、フランクリン、レーマー、シェーレ、ノーベル。
封地に赴いた以上5名の者が何らかの理由により生還、あるいは
子孫を残した場合には本人を含めその家系もろとも抹消せよ。』」
「!!!」
「これで分かるな? 諸君はそれに該当するのだよ。」