『僕は、負けない』
「……あんた、こんなことしてタダで済むと思ってるの!?」
「その少女はたまたま不幸に巻き込まれたにすぎない。
少年を助けに行こうとしたのだろうが、
私に楯突いたのが運の尽きだったというだけだ。」
「!!! 外道っ! 人でなしっ!」
「……フィオナが、僕を助けようと……?」
「安心しろ、少年。
お前もすぐに側に送ってやる。
この少女の後を追うがいい。」
「……フィオナ。」
「覚悟はいいか、少年よ。」
「!!!
サードっ! 逃げなさいっっっ!
あたしのことはいいからっ、あんただけでもっ……!」
「……負けない。
僕は……負けない。
絶対に、負けない。」
「ん?」
「例えそこが死の淵でも、
僕の身体がどれだけ傷つこうとも――
でも負けない。」
「!」
「! サード!
馬鹿なこと考えないで早く逃げなさい!
ここは私がくい止めるからっ!」
「もう、いやなんだ!」
「サード!?」
「僕のために、誰かが傷付くのなんていやだっ!
もう、守られるだけの存在でいたくないっ!
負けるものか……絶対に負けるものかっ!!!」
「!!!」