『鐘の音を合図に』

「……馬鹿な奴らだ。
　自害して何の得があるっていうんだよ。
　命、失ったらそれで終わりじゃねぇか……。」

「なにはともあれ全ては終わったな。」

「その……本当にありがとうございました。私がふがないばかっかりに……。」

「いいって事だ。な、ボイス？」

「……まぁ、そうしておこう。」

「お前本当に素直じゃねえなぁ。」

「でもわざわざ私の為に軍紀に背いて……。」

「過ぎたことは気にするなよ。
　今考えなくちゃならないのはこれからの事なんだ。
　この後に待っているのは……」

「国家内乱罪。そう言いたいのだろう？」

「ああ。そうだ。……本当にいいのか？」

「覚悟は出来ている。
　それよりお前こそどうなんだ？
　今なら俺１人がしたことにできる。」

「乗りかかった船だ。最後までつきあうよ。」

「……ありがとよ。」

「ところで一つ聞いていいか？」

「……なんだ？」

「ふたりとも、いつまで手を握っているつもりだ？ 別に止める気はないけどよ。」

「…………あっ！」