Forbidden Palace Library #00 「失われた7枚」シリーズ 外伝

『鐘の音を響かせ』




翌日、早朝。

レオン 「背中にそんな重い剣を差して……行く気だな。」

ボイス 「ああ。」

レオン 「既に一戦を交える覚悟すらあるといとうことか。」

ボイス 「…………。」

レオン 「一つ、悪い知らせがある。」

ボイス 「?」

レオン 「お前の親父さんだがな、
 どうやら一足先にブランドブレイへ向かったらしい。
 恐らくシュレディンガー邸に行ったはずだ。」

ボイス 「まさかっ!!!」

レオン 「間違いない。お前の探すそいつは、恐らくそこにいる。」

ボイス (早く、追いつかないと!)

レオン 「厩舎の前に、師団で一番足の速い馬を待機させてある。
 特権違反かもしれんが、今は一刻を争うんだろ?
 あとの処理は俺がしておく。」

ボイス 「……恩に着る。」

レオン 「そういう事は帰ってきてからでいい。」

ボイス 「わかった。」

レオン 「それと――イーディスには会わなくていいのか?」

ボイス 「……構わん。」

レオン 「冷たいな。」

ボイス 「いま会えば、俺の決心が揺らぐ。」

レオン 「ならば伝言は?」

ボイス 「……必ず戻る。
 だから、待っていてくれ、と――
 伝えておいてくれ。」

レオン 「……わかった。」

ボイス 「じゃあな、行って来る。」

レオン 「おう、行って来い。」


たったったったっ

レオン 「…………。」


………………。

レオン 「だとよ、イーディス。もう出てきても平気だぞ。」

イーディス 「……大丈夫です。
 私、信じていますから。
 あの人のこと、すべて。」

レオン 「心底愛してるんだな、あいつを。」

イーディス 「ええ。もちろんです。」

レオン 「ひゅー。羨ましい話だな。」

イーディス 「……ハーシェルさん。いえ、ラウドさん。
 ミルククッキー作って、待ってます。
 だから絶対に、戻ってきてください――。」


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