『失われた7枚』if 〜昔話編 その1〜
昔々、あるところにおじいさんとおばあさんがいました。
「え?……私が、レナード師団長の……妻?」
ええ、そうですよ。
おじいさんは山に芝刈りに、おばあさんは川に洗濯に行きました。
(そんな……妻だなんて……恥ずかしい……。)
すると川の上流から大きな桃がどんぶらこ、どんぶらこ……
(でも、「そんな君の恥ずかしがった顔もかわいいよ」なんて言われたら……。)
どんぶらこ、どんぶらこ……あのー、アリスさん?
(あなた……ま、まだ夜になって……ない……んっ……。)
ち、ちょっと待って下さいよぉぉぉぉっ!
い、一体何を考えているんですかぁぁぁぁぁっ!?
「え?い、いえ、ちょっと考え事していたもので……あら?桃は?」
どんぶらこ、どんぶらこ……
……もう流れて行っちゃいましたよ。
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