『失われた7枚』if 〜昔話編 その4〜
「あ、死んでる。」
「死んでないっ!
寝てるだけっ!
死んだように見えるだけっ!」
「でも死んだふりっていうのは便利だよね、
森のくまさんなんかが来たときも安全だし。
あ、でも狼が来たら食べられちゃうかも、肉食だし。」
「こ、怖いこと言わないでよーっ!」
「でもずっと森の中で寝てたなんて、色々な意味で凄いよね。
雨の日も風の日もずーっとさらされてきたわけだから。
そしてときに雪に埋もれることがあっても……」
「だから変なこと言わないでってばぁーっ!」
「夜な夜なフクロウが不気味な声をあげようとも、
月の光も射さない新月の夜に野性の猫が周囲を徘徊しようとも
眠りつづけてたらちょっとやだな。でも負けない。」
「こんな王子様いやぁぁぁぁっ!」
……どうしてこの人達ってこうも話が続かないんだろう。
「じゃあ、逆にしてみたら?」
逆?と言いますと?
「つまり、男性陣に眠ってもらうというのは?」
…………なるほど。
「ちょっとぉぉぉっ、あたしは出ないからねっ。」