『失われた7枚』if 〜昔話編 その5〜
「どうかしら?
まぁるさんかくしかぁくぅの踊りは
お気に召しました?」
「……ボク、色々な意味で斬新だと思うな、この踊り。
それよりもボク、そろそろ帰らなきゃ。
あんまり長い間家を留守にも出来ないし……。」
「あらあらあら。
それは残念ですわねぇ。
亀さん亀さん、ちょっと。」
「うん、なんだい?呼んだ?」
「浦島太郎さんがお帰りになるそうですわ。
ですから送っていって差し上げなさいな。
お願いいたしますわ。」
「うん、わかった。」
「……ちょっと不安だなぁ。」
「それと浦島太郎さん、
どうかお土産を持っていってくださいな。
この大きいつづらと小さいつづら、どちらがよろしいですか?」
「……あのー、それは話が微妙に違うと思うんだけど。」
「どっちがよろしいですか?」
「じゃあ小さい方を。」
「大きい方ですね?」
「だから小さい方だってばぁ。」
「わかりました、大きい方を差し上げましょう。」
「…………しくしくしく。」